防災情報

想定死者数30万人以上、
「南海トラフ巨大地震」の被害想定と発生時の備え

地震大国・日本で近年注目されている「南海トラフ巨大地震」。2011年の8月には内閣府に「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が設置され、さまざまな調査・研究がおこなわれました。

しかし、既にこの巨大地震への対策をおこなっているという、家庭や企業は、まだまだ少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、南海トラフ巨大地震の被害想定や基礎知識、対策方法などをご紹介します。規模の大きな地震ほど、日頃の準備がきっと役立ちます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

南海トラフ巨大地震の基礎知識と被害想定エリア

そもそも、「南海トラフ」とは、駿河湾から九州の間にある、プレートが接する境目の溝の名前です。プレートとは、地球表面を覆う厚さ100kmほどの岩盤で、プレート同士がその境目でぶつかりあう大きな力によって、地震が発生すると考えられています。そして、この南海トラフ付近では、3つの地震が定期的に発生するとされています。
1つ目が、駿河湾から浜名湖(静岡県)周辺での「東海地震」、2つ目は、浜名湖から潮岬(和歌山県)周辺で「東南海地震」、3つ目は、潮岬から四国沖で発生する「南海地震」で、この3つが連動して同時に起きる地震を「南海トラフ巨大地震」と呼んでいます。

南海トラフ巨大地震の被害想定エリアは、東京都周辺から九州の一部までと幅広く、火災や津波などさまざまな災害が発生すると言われています。

 

 

南海トラフ巨大地震の発生時期と東日本大震災を超える被害想定

いま、南海トラフ巨大地震が注目されているのは、「発生時期」と「被害想定」の2つの理由からです。

南海トラフ近辺では、約100年から150年の間隔で、マグニチュード8を超える巨大な地震が発生していたことが、近年の調査により分かりました。
1946年の「昭和南海地震」から70年、1854年の「安政東海地震」からは160年以上経過しているため、連鎖的な巨大地震がいつ起きてもおかしくありません 。

また、注目を集めるもう1つの理由、「被害想定」については、東日本大震災の被害を超えると考えられています。例えば、2012年の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」の報告では、全国での想定死者数は30万人超、静岡県だけでも10万人超の死者(東海地方が大きく被災した場合)が想定されています。
東日本大震災では、死者・行方不明者合わせて約2万2000人という被害を生みましたが、南海トラフ巨大地震ではその15倍ほどという途方もない被害が想定されています。
この数字を見れば、危機的な状況が容易に想像できますよね…。

 

 

南海トラフ巨大地震への備え

南海トラフ巨大地震で気をつけたいのが、「建物の倒壊」、「火災」、「津波」による被害です。
ここからは、それぞれの対策をご紹介します。

 

 

●建物の倒壊への備え

建物自体の耐震性を上げることは簡単ではありません。とくに、古い家屋が密集した地域ではリフォームができないなどの、物理的な問題もあります。

しかし、立地や費用などの条件が確保できるのであれば、一度「耐震診断」を実施する機関や企業に相談してみるのもおすすめです。

また、実際の地震発生に備え、あらかじめ家具類を固定しておきましょう。冷蔵庫などの大きな家具類が転倒すると、下敷きになる可能性や出入り口が塞がれることもあります。その点、家具類を固定すれば転倒から身を守れるだけでなく、崩れそうな建物から屋外へ避難しやすくなります。

●火災への備え

地震が起きた場合、二次災害として火災が発生し、被害が拡大するケースが目立ちます。
通電火災といって、地震発生後に電気が復旧することで、熱源となる家電類に電気がとおり、周囲の紙や衣類などから火が燃え移る火災も存在します。

そのため、現在では、地震が起きたら避難する前にブレーカーを落とすことが必須となっていますが、災害時にそこまで 余裕がある人はあまりいないのではないでしょうか。リンテック21の「感震ブレーカーアダプター ヤモリ」は、大きな地震時に自動でブレーカーを落とすことができます。特別な取付工事や不要なので、通電火災対策アイテムとして是非ご検討ください。

●津波への備え

南海トラフ巨大地震は、津波による被害想定も大きくなっています。
実際に10メートルを超える津波が想定される地域もあるので、海岸や河川の近くに住んでいる方は不安ですよね…。

多少の水量であれば、土嚢(どのう)やビニール袋に水を詰めた水嚢(すいのう)で浸水は防げますが、大きな津波には、早めの避難と「津波避難施設」の利用が効果的です。津波避難施設とは、津波や高潮の避難用に整備された施設のことです。

2012年の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」の報告によると、早期の避難率が低く津波避難ビルが活用されない場合と、早期の避難率が高く効果的な呼びかけと、津波避難ビルが効果的に利用された場合との比較では、津波による死者数が最大で約 8 割減少すると想定されています!
津波のときには、「早めに高い場所へ避難する」というシンプルな方法が一番効果的だということですね。

 

 

今回ご紹介した、南海トラフ巨大地震の基礎知識や発生時の対処法は、基本的なことばかりです。 もし、もっと知りたいと思った方は、内閣府の「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」による報告なども参考になるので、チェックしてみてくださいね!